デロイトトーマツ伊藤様によるインタビューシリーズの第2弾。今回の話者はbuoy(reBirth)の技術担当者 潮 俊希。射出成型での生産がメインのテクノラボで、海洋ゴミの表情を生かすためコンプレッションの製法を取り入れた独自の製法を確立し特許取得のつなげた。
製造工程全体を担当するのは潮俊希さん。海洋プラスチックごみの本格的な対策が急がれる中、「一番乗りで再生事業を確立し、プラスチック関連業界の中で存在感を示したい」と話す。
――プロジェクトに対する意気込みを
「大学時代は水環境工学を学んだ。上下水処理が対象だったので海洋とは直接関係ないが、同じ水の問題。ごみ対策は世界的な関心が高いだけに、プロジェクトに携わることができるのはワクワク感がある。持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたい」
――製造工程の具体的な流れは
「収集したごみを5mm角前後に粉砕した後、温めた金型によって成型し、力の加減によって一点物の工芸品が出来上がる。色々とアドバイスを受けながら一連の技術の確立を目指している」
――技術的にハードルが高かった部分は
「原材料はペットボトルの包装に使用されているポリプロピレン、キャップに使われているポリエチレンが過半数を占めている。特性は似ており『何度の時に柔らかくなる』といったことは把握しているが、少しだけ温めて曲げるといった作業をはじめ、器の形に再加工するのは難しかった。色合いに関しては形と異なり予想できない。加熱によって流動した後、色がどこに配置されるのか分からないからだ」
――今後の仕事にどういった形で反映させていくのか
「リバースは手作業によって、一品ずつ異なる作品を手掛けるというところに価値がある。少ないからこそ『よりよいものができる』といった価値観が浸透すれば、既存事業にもうまい形で反映されると期待している」