開発カスタマーストーリー 「株式会社インテグラル様」

地場の中小工務店を支えるシステム開発

 

弊社のお客様である株式会社インテグラルの藤間さんにお話を伺ってまいりました。テクノラボはプラスチック筐体の製作をお手伝いしております。

昨今『省エネ』、『耐震』など住宅の機能技術が向上していることをよく耳にします。しかし、住宅性能という見えにくい機能に対し工事を決断することは少しリスクがあるように感じます。

インテグラル社では建築住宅の性能を分析するためのシステムを提供しています。温エアーV3は省エネ性能を分析するためのアイテムです。
実際に住宅を生産される工務店の人の意識と絡めてお話をお伺いしてきました。

 

開発の背景

ーー『温エアーV3』の開発背景にはなにがあるのか教えてください。

「これまで任意だった省エネ基準が2020年に義務化になることが開発背景にあります。住宅では暖房や冷房といった断熱性能が大きくエネルギーコストを占めているので省エネ性能を上げるには断熱性能をあげることが有効な方法です。しかし、実際に工事によってどの程度向上したかは計算やシミュレーション上でしか調べる術はありませんでした。そこで開発されたのが温エアーです。実際の工事でどういった結果が伴っているかが無線を使いリアルタイムで実測値がわかります。

また、インテグラルが製品開発において重視しているのは中小工務店が取り入れやすいかということです。 地域に根差した顔の見える付き合いが地場の工務店の魅力であり、大手建設メーカーとの違いです。しかしながらこういった工務店は、大手と違って制度に合わせてオリジナル商品をつくることはできません。そこでインテグラルでは安価で手軽な製品を提供してきました。

 

環境の見える「温エアー」でなにが変わった?

ーー製品化してみてどのような反響や効果がありましたか。

「温エアーの貸し出しを始めたことで、それまで工務店等の生産者自身がぼんやりとしかわからなかった工事の成果が数字として見えるようになり、断熱性能の重要性を理解してくれるようになりました。施主へのプレゼンツールとしても役立ってるようです。

住宅に省エネという概念が生まれたのが1980年代、それから40年弱の年月が経ちますが省エネ住宅としての条件を満たしている住宅は現在わずか5%しかありません。
今後2020年の義務化に向け、工務店自らが納得することで住宅生産者が性能の担保をする、良質な建設が増えることを期待しています。」

 

温度への意識が健康管理に繋がる!

ーーー温エアーは工事の成果を視覚化し、工事への理解をサポートするアイテムとして役立っているのですね。工事が完了してからの日常生活でも使用されるとのことですが、住宅に置くとどんな効果があるのですか。

「施主にとって高額な買い物である住宅の性能値は省エネの観点だけでなく健康面でも重要なんです。
例えば、断熱性能をリフォームするメリットとして室内気温差の緩和が挙げられます。如何にヒートショックが起こり得る環境を減らせるかは、高齢化社会で健康に長く生きられるかの鍵となるのです。 生活習慣の指導の一つに「住宅をよくすること」が含まれていますが、住宅を改善し、健康になることは社会保障費の削減にも繋がります。

また、ヨーロッパでは12℃を下回る室温の住宅は、人の寿命を短くするという“意識”があります。対して日本人は『冬は寒く、夏は暑くて当たり前』という意識が強く、実際の部屋の温度には無頓着です。ところが温エアーを設置することで、何度を下回ると自分の家は寒いと感じるか具体的に言えるようになりました。この意識の変化も見える化の成果です。」

 

これから目指すものとは。

ーー今後、どのような開発が必要と考えていますか。

「新築と改修(リフォーム)では考え方が違います。改修では現状をどう変えたらコストパフォーマンスを抑えられるかが問題となってきます。
家全体をリフォームしようとするとお金が掛かりますが、新機種の温サーフェースを使えばリビングや寝室など良く使う部屋にスポットをあてて、コスパよく改修することが出来ます。
人が感じる寒さ厚さは室温だけでなく窓・床・壁・天井といった場所の表面温度も重要です。このツールは表面温度を計測できるツールです。

今後地場の工務店が生き残るためにもリフォーム工事は大手に飲み込まれない誘導がねらいがポイントになってきます。」