技術開発

開発者インタビュー

【開発者インタビュー】田所沙弓「プラスチックとの適切な付き合い方を模索したい」

デロイトトーマツ伊藤様によるインタビューシリーズの第3弾。今回の話者はbuoy(reBirth)のブランドマネージャー/デザイナー 田所 沙弓。buoyのコンセプト、プロダクトデザイン、ブランディング、広報活動、web製作、SNS運営を担当している。

コロナ禍でのひとりビーチクリーン

リバースプロジェクトでは海洋プラスチックごみ由来の雑貨などを工芸品として売り込む。工芸品の〝名付け親〟はチーフデザイナーの田所沙弓さんだ。

――今回の事業に対する思いは

「プラスチックの生産拠点は中国に移管しており、大量生産品としてのニーズが大きい。イメージは決して良くないが、軽くて気軽に持てる点はすごく魅力的だし、生活シーンにも溶け込んでいる。リバースの情報をリリースする前から積極的に蚤の市やクリエイターズマーケットなどに出品し一般消費者との対話を重ねてきたが、『ガラスに比べて軽い』と反応も上々だ。量産性という部分ではなく、繰り返し使えるという部分を訴求してプロジェクトを展開していけば、プラスチックとの適切な付き合い方も見えてくるはず」

――敢えて工芸品とした理由は

「安くて使い捨て、気軽に買って捨てればいいという考え方を変えるため。生産者の目線で考えると大量生産することに重きを置きがちだ。しかし、プラスチックの魅力はそこだけではない。工芸品として一点物の高級品にすることで悩んで購入し、大切にされることを願ってデザインしてきた。ただ、粗雑に扱えるのもプラスチックの魅力、プラスチック製品に求められる品質とクラフト感のバランスとを、どの辺りに持っていくのかは難しい課題だ」

――デザインは、ごみを素材にしたとは思えない鮮やかさがある

「金型を活用したプレス成型を行う前に、色の配置などを考えてプラスチックを並べるが、細かい模様は偶然の産物。それが面白い」

――今後の目標は

「私は美大でプロダクトデザインを学び『アートではなく製品開発を行いたい』という理由でテクノラボに入社した。現代社会におけるニッチなニーズや、ちょっとした障害に対応した製品開発をかなえられるのはプラスチックだからこそ。環境問題の解決に向かいつつ素材としてのプラスチックとの付き合い方に一石を投じていきたい」

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