reBirth(リバース)について

製品コンセプト

「reBirth」は、海洋ゴミとして廃棄されたプラスチックを材料として、それを美しい伝統工芸品に生まれ変わらせることを製品コンセプトとしています。

きっかけは横浜にあるプロダクトデザインの会社(テクノラボ)内で始まったPlas+tecというプロジェクトでした。プラスチック素材を用いた製品開発を多く手掛ける中で、より美しいプラスチック素材の使い方にはどのような方法があるだろうか?そうした一連の活動の中で、プラスチックを大量生産素材とするのではなく、一品物の工芸品として製造する技術が生まれてゆきました。その活動の先に「reBirth」が誕生しました。

「reBirth」はPlas+tecの中で生まれた工芸品を作る技術を、海洋ゴミとなっているプラスチックに使って作られる製品です。自分たちが日頃扱っているプラスチック素材が海洋ゴミとして社会的に非難の対象となることは、自分の子供の悪事を批判されているのと同じような感情を抱くものです。どうかして悪の原因となっている海洋プラスチックごみを何とかできないか?と考えることが、私たちにとって当然の流れでしたから。

海洋プラスチックごみを素材とした理由

海洋プラスチックごみについての議論を進める中で、私たちは一つの結論に至りました。

プラスチックは腐らず大量に製造され、そして廃棄されることで、特に海洋に大きな悪影響を与えます。しかしそれは私たちが便利かつ安易にプラスチックを利用し過ぎて来たことの裏返しなのではないか?問題の本質はプラスチック素材自身というよりも、安易に使って安易に廃棄するという私たちの習慣に多くの原因があると思い至りました。

そもそも私たちがプラスチックを「捨てなくなる」ためにはどうしたら良いのか、そうした議論を重ねてきました。

海洋ゴミに関して言えば、リサイクル等の多くの解決策が無力です。

日本を含む主要先進国においては、焼却(サーマルリサイクル)や埋め立てを含めれば統計上ほぼ100%に近いプラスチックが回収されています。それでも回収できなかった僅かなゴミが河川から海に流れ込み、「海洋ゴミ」として生態系に大きな問題を引き起こしている、つまりそれだけプラスチックの利用量が膨大になっているので、既存のリサイクルによって海洋ゴミの問題を解決することは難しいと言えます。

だから海洋ゴミを減らすための本質的な活動は、私たちの意識を変えることにあると思っています。

私たちがプラスチック製品を安易に廃棄してしまうのは、プラスチックの製品が「安く」て、かつ捨てても「同質だから取り換えが利く」からです。もし美しく、世界でたった一つの自分だけのプロダクトで、かつ安価でないものを誰も捨てることはありません。

Plas+tecプロジェクトの中で生まれた技術により、作られるプラスチック製品が世界にたった一つしかない工芸品になったら、それは捨てられることがない。

そしてそれが捨てられていた海洋プラスチックごみだったとしたら?

こうした私たちの意識を変える象徴的なプロダクトとして、「reBirth」という商品をデザインしました。工芸品という視点と、海洋ゴミの回収という視点、2つの視点を備えている商品です。

プラスチック素材の負の面と認識されていた「腐らない」・「容易に再生できる」という特性を利用して、一度廃棄された海洋プラスチックを「再生(re-birth)」することで、新たに高い価値を持つ商品に生まれ変わらせていることで、私たちの意識に問いかけをしているのが「reBirth」という商品なのです。

reBirthを作る上で苦労したこと

熱が均一にあたらず失敗

「reBirth」が誕生する前のPlas+tecプロジェクトの段階では、果たしてプラスチック素材は工芸品になりうるか、という点に大変な苦労をすることになりました。

プラスチック素材はそもそも大量生産を前提としているので、工芸品として一品ずつ作るという製造方法は一般的ではありません。昨今の3Dプリンターは確かに一品ずつの製造にはなりますが、それは工芸品としての美観を持つとは言い難いものです。それ以上にデータから同じものを反復して作ることを工芸品と呼ぶことにも抵抗がありました。

そこで私たちはプラスチックの素材そのものに着目しました。プラスチックは熱で溶けるし冷やせば固まるもので、元々飴や蝋と同じ特性を持っています。べっこう飴を作るようにプラスチックで製品を作れないか?

大学院で環境を専攻した潮が、色々な角度からプラスチックの原材料を成形する方法を考え、今の製造方法に行き着きました。熱をかけると同時に一定の圧力でプレスすることで、混ぜたプラスチック素材そのままの美しい成形板を作ることが出来るようになりました。

この製法によると、様々な種類や色のプラスチック素材をそのままの状態で一つの製品にしてゆくことが出来るので、これまでにない様々な質感や色の組み合わせを作り出すことが出来、そしてそれは毎回1つしかないものになり得ます。

ガラスや木材では決して生み出すことの出来ない色合いや質感を、工芸的に生み出すことが出来る点で、私たちの目指す世界にふさわしい製造手法だと思っています。

プレス作業

そしてその板を再加熱して柔らかくしたものを、一品ずつ狙った形状に塑性してゆくという作業で製品を作ることが出来ます。一品ずつの塑性ですから、同じに作ろうとしても一つ一つが微妙に異なることで、「工芸」と呼べる製品を作ることが出来るようになりました。

成形作業

ですがそれ以上に苦労したのが、「reBirth」を作るために海洋ゴミを素材としたことです。

海岸に落ちているプラスチックには様々な種類があり、全て同じ種類のぷらすっく素材を集めて製品を作ってゆくことなど出来ません。異なる種類のプラスチックを同時に成形してゆかざるを得ないのです。これにはかなりのコツとノウハウが必要となりました。

そしてプラスチックのゴミを集める作業を湘南の海辺で行いましたが、そもそも製品を作るほどのゴミを集めることが出来ませんでした。

逗子海岸

この問題は現在も困難を極めており、クラウドファンディングを機に海洋ゴミで困っている地方自治体さまと一緒に活動する必要を強く感じています。

海洋ゴミの漂着に困っている地方自治体と、そうした海洋ゴミを素材として魅力ある工芸品を製造したい「reBirth」が協働することが出来れば、とても面白い試みになると感じています。

海洋ゴミから生まれた器
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