プラスチックで思いをカタチにする会社 株式会社テクノラボ

IoT元年とインターネット元年

IoT元年とインターネット元年

2017年はIoT元年だったそうです。

インターネット元年が1995年と言われていますが、私はその数年後にネットベンチャーで働いていた経験があります。まだネットベンチャーはみな小さい会社で、上野公園で花見に来てた同業社の中から上場企業がバンバン出てきたのを思い出して、また同じことが起こるのかぁと感慨深いものがあります。

テクノラボはもう7-8年前からこの路線のケース開発ばかりやってきたので、結構アドバンテージが取れる立ち位置に居ることが出来ていて、仕事しててよかったなと感じています。

でも他の人より情報が早い分痛切に感じるのですが、この分野で日本はもう厳しいかな。

深セン(中国)に行ってもシリコンバレーに行っても、誰もが日を削って開発が進んでいます。悠長なのは日本だけです。

もともとIoTという概念自体が、日本発のTRONプロジェクトがスタート地点だったと思っています。それはユビキタスとかM2Mとか色々名前を変えても、常に日本がトップを走っていた分野だったのではないでしょうか。

潮目が変わったのはスマホの登場で、スマホ誕生(2007年)と普及によって、IoTに必要なセンサー、マイコン、通信モジュールが破壊的に安くなりました。結果、今までは理念でしかなかった「どこでもコンピュータ」が突然実現できるようになったのですが、技術者はともかく多くの日本の経営者はこれに気づいていたのでしょうか?

スマホ需要が世界で一巡した2015年以降から、本格的に世界中でIoTデバイスの開発と普及が走り出したと思っていて、今は潜在的な顧客獲得競争に入っていると思います。一方で日本企業は去年まで「本格的に動き出したらウチも出てゆこう」くらいに考えていた節があって、もう周回遅れになっている気がします。

産業連関表(2011年版)から計算して推定してみたのですが、この分野におけるプラスチック部品の市場はおよそ700億円弱ではないかと思っています。かりに開発市場を全体の5%と仮定すると日本にあるIoT機器を作るプラスチックメーカーはせいぜい35億程度の小さな市場を争っていたことになります。

テクノラボは小さい会社ですが、この分野に特化して受注しています。この分野自体が小さいのでその中ならばそれなりの比率の受託しています。その中で感じるのが、日本のメーカーに特徴的なスタンス、「IoTは新しいから手探りで少しずつ」という姿勢です。このペースで開発を進めてゆくと、日本企業が本気で開発を始めた頃には市場に参入余地がなくなってしまっているだろう、と思うのです。

IoTデバイスの開発を受託するのに日本の顧客だけでは余りにリスキーだとテクノラボは感じていて、今一生懸命、海外の顧客にシフトしようと画策しています。順当にゆけば、いずれ主要顧客が海外だけになるだろうと思っていますが、狙い通りにゆかないことを望むばかりです。